創立100周年記念事業
プロジェクト

創立100周年記念アワード

創立100周年記念アワード

2024年、学校法人武蔵野大学は
創立100周年を迎えます。
学生・生徒・園児のみなさんが
この大きな節目を体感し、
学校の枠を超えて一つの目的に向けて
取り組む機会として、
創立100周年記念アワードを開催いたしました。

できることから、ひとつずつ。
明るい未来のための
「ゴミ収集人」たちの挑戦

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最優秀賞(中学生部門):ゴミ収集人

みなさん、こんにちは! 学生広報チームの加藤です。
今回は有明キャンパスで開催される大学祭「黎明祭」1日目、2023年11月18日に開催された「令和5年度 学校法人武蔵野大学 創立100周年記念アワード」の中学部門で見事「最優秀賞」を受賞された、ゴミ問題の解決を目指す「ゴミ収集人」の皆さんをご紹介します。

今なお消えない「ゴミ問題」へ挑戦する中学生たち

「ゴミ収集人」は、杉原 君輝さん、神童 恵介さんの2人で結成。「世界を幸せにするには、まず身近なところから社会問題を解決していかなければならない」という思いから、私たちにとても身近なものとして存在している「ゴミ問題」を解決するべく「ゴミ収集人」の活動を開始したそうです。

最近では、2人の活動に共感した同級生が手伝いに来てくれるようになり、現在(取材当時)は合計3名での活動になっているとのこと。

具体的には、ほぼ毎週の日曜日、11時に新宿区の決まった場所に集合し、毎回およそ2~3時間にわたって周辺の清掃を行いながら、ゴミがどのような場所に散らばっているのかを調べて分析し 、解決策を考える活動を行っています。

よくある清掃ボランティアのような、ただ有志が集ってゴミを拾い集めるのみの活動とは異なり、「どんな対策を打ち出せばより根本的な解決に繋がるか」の探究に重点を置いているのがポイントです。

100周年アワードの発表の様子

行動を続けた結果、見えてきたことがあった

地道な活動を続けた結果、ゴミの分布から「人目につく場所よりも、人目につかない場所にゴミが多く見られる」という大まかな傾向が見えてきたそうです。

この観察結果を考察し、「日頃から見られるポイ捨てには、罪悪感や集団心理をはじめとした、人間の心の動きが大きく関わっている」ということに気づいた2人。

海や川が汚れている原因がこれらの人間の心理が生むポイ捨てにあることを訴え、100周年アワードで見事、最優秀賞を受賞しました。

100周年アワード後は、「どうすればポイ捨てをしてしまう人々の心を変えられるのだろうか?」を考え、具体的な解決策を考えているそうです。

インタビュー時には「心理学的に、人は誰かに見られているときに後ろめたい行為をできなくなる傾向がある。このことから、ダミーの防犯カメラを設置することで『誰かに見られている』という意識を持たせることで、ポイ捨てを防止できるのではないか」という発展的な提案を語っていただき、視点の鋭さに驚かされるばかりでした。

「ここはゴールではなく、スタート地点だ」

今後の展望への期待

「100周年アワードの受賞は、ゴールではなく完全に通過点。むしろここからがスタート地点になる」と語る2人。大切なことは、多くの人々に「私達一人ひとりのちょっとした行動が、環境を汚すことにも綺麗にすることにもつながっているということを知ってもらうことだ」と言います。

今後はどのような方向で頑張っていきたいかについても尋ねてみると、
「とにかく人々の意識を変えたい。」

「まずは私達日本人から、悪い感情を持った人を減らしていくことができれば、日本の国民性が良くなることにもつながり、海外からの評価向上にもなる」
と、人々の意識向上を目指す取り組みへの強い想いを伝えてくれました。

今後はまず活動メンバーを10人程度に増やしていくことを目標として、コミュニティとしての規模をもっと拡大していくほか、インターネットを用いて自分たちの活動を周知しつつ、多くの人と課題解決のための議論をしていきたいとのこと。

未来に向けて解像度の高い展望を持っており、ここからどのように活動を発展させていくのか、その活動から目が離せません!

取材の様子

「ゴミ収集人」の取り組みから私たちが学ぶべきこと

私が今回2人に取材してみて最も感心したのは、2人の行動には「現状認識」⇒「目標設定」⇒「データ収集」⇒「分析・考察」⇒「提案」という、一般的な研究活動の基礎となるステップがしっかりと確立されていることでした。

今回の最優秀賞という結果に繋がった大きな要因としては、よく計画が練られしっかりと実行された探究活動であった、という点が大きかったと思いますし、大学生である私も見習いたいと感じました。

杉原さん、神童さんのお2人は、今後進学していくにつれてアクションの選択肢がもっと増えていくと思うし、様々な分野の学びを通してもっと大きな探究力を身に付けていけるとも思います。そして彼らが問題解決を考え、地道に行動を起こしていく限り、その思いに手を貸してくれる大人もきっと増えていくからこそ、私個人としても、今回のアワードでの「最優秀賞」という成果を、これからへのきっかけに繋げていってほしいと思います。

ゴミ問題は、いま地球上に住む私たち全員が向き合って考えていくべきものです。
もしかしたら皆さんも、よく歩く道の端がゴミで汚くなっているのを見たとき、
「誰かが掃除してくれるだろう」
「誰かがゴミを捨てているのだから、私もやってもバレないだろう」
そんな思いが、心のどこかによぎったことがあるのではないでしょうか?

そんな時は、私達も杉原さん神童さんを見習って、何か一つ、行動を起こしてみてはどうでしょう?
たとえばいつもの帰り道に、空き缶が一つ落ちていたら、それを拾って然るべきところに捨てなおす。たったそれだけの行動だったとしても、みんなでやれば積もり積もって、きっと大きな変化がもたらされます。

私もこれからは道端を気にしつつ、ゴミを入れるための袋を一枚持ち歩きながら帰ってみたいと思います。

そしてそう遠くない未来、世界中の「ゴミ収集人」の行動の結果が、未来の世界を幸せにする大きな輪となりますように。

彼らのこれからの活動に、乞うご期待です!

※学年、肩書は取材当時(2023年12月)のものです

執筆 薬学科2年生 加藤 晴喜

【学生広報チームについて】
学生広報チームは2023年9月に活動を開始しました。創立100周年事業プロジェクトの取材を行い、武蔵野大学だけでなく、学校法人武蔵野大学の中学校や高等学校の生徒や地域の方々にも武蔵野大学や100周年事業の魅力を発信できるように今後も活動していきます。