創立100周年記念事業
プロジェクトのご紹介

学生参画型イベント

スクールソング等
プロジェクト

100年の歴史と、未来を想いながら、
一緒につくろう。一緒に歌おう。
垣根を越えた共創のスタイルで
新しいスクールソングを制作したり、
親しまれてきた曲を再録して、
記念に残すプロジェクトです。

■高牧恵里先生(右)/教育学部幼児教育学科准教授。幼稚園教諭、保育士を目指す学生への音楽表現科目を担当。武蔵野大学音楽部ルンビニー合唱団顧問。本プロジェクトでは作曲ワークショップを運営。■杉浦みずほ先生(左)/武蔵野大学中学校・高等学校 音楽科教員として、中学1年生から高校3年生までの音楽の指導を担当。本プロジェクトでは中学生、高校生の作詞ワークショップ運営を担当。

つながり始めた感性。
高牧先生&杉浦先生対談

「大きな歴史の中にいる自分を、生徒たちも感じることができた」(杉浦)

— 3799フレーズもの中高生が出してくれた言葉が、大学生の作曲をインスパイアしてくれていました。ワークショップを終えての手応えをお聞かせください。

高牧:

中高生が書いてくれた言葉の数々には、生徒たちが日常の中で抱いている想いが溢れている印象を受けました。キャンパスの大きな木々から歴史に想いを馳せていたり、中高生が100年という時の流れを感じていることに感動しました。仏教に触れている言葉もあり、日頃の朝拝などで学んでいる仏教精神が宿っていることに感心いたしました。

杉浦:

最初は苦戦していた生徒たちも、グループワークによって気持ちが乗ってくると、純粋な想いをどんどん書いてくれました。100周年という機会のおかげで、中高生も自分自身を俯瞰して見ることができて、大きな歴史の中にいる自分を感じられたのではないでしょうか。100年に1回しか来ない機会にこの学校にいて良かったねと、よく生徒たちと言っているんです。

高牧:

大学生の作曲ワークショップは、普段は交流の少ない2キャンパスの学生での取り組みだったので、曲ができあがるのか心配でした。でも、初めての仲間とグループを組み、うまくコミュニケーションをとりながら試行錯誤して、最後の発表のときには、ラップ、フォークソング、ポピュラー音楽など、日頃、学生たちが聞いている音楽を感じられる曲にまとめられていて、盛り上がっていましたね。幼児教育の現場では、子どもたちの言葉や鼻歌からクラスソングをつくることがありますので、私の授業でも作曲に取り組んでいます。幼児教育学科から参加していた学生は、その経験も活かしてくれたようです。

杉浦:

本当に多様な感性がつながる機会でした。教員である私自身にも新しい世界が開けました。中高と大学では時程が違って、時間を合わせるのも一苦労。とても大変な調整をして支えてくださっている方々のおかげ。本当にありがたいです。

「人を自然につなぐのが音楽。みんなで一緒に歌える歌に」(高牧)

— 先生方の教育活動のなかで、そもそも音楽にはどんな力があるとお感じですか。

杉浦:

武蔵野中高は、クラス対抗で行う合唱祭が伝統で、本当に力を入れて取り組んでいます。今は中学生だけですが、以前は高校生まで取り組む行事でした。クラスごとに一生懸命練習を重ねていくと、意見の食い違いが生まれたりします。最初は恥ずかしさからか声を出さない生徒もいます。でも、ぶつかりながらも乗り越えて信頼関係ができてくると、声がよく出てくるんです。合唱祭当日は、歌いながら生徒たちも教員も涙しています。本当に青春です。

高牧:

音楽はかなり重要ですね。私は有明こども園に、子どもたちへのリトミックの指導に行っています。そこで感じるのは、音楽はコミュニケーションのきっかけとして、とてもいい作用をすることです。お友だちの中に入りづらいお子さんも、楽しそうに活動している仲間のところに自分も入ってみようかなと気持ちが変わっていきます。音楽が人をつなぐ作用は、どの年代でもあるのではないでしょうか。

杉浦:

コロナ禍で3年ほど歌うことができなかった生徒たちに、思いっきり歌う体験をさせたいですね。自分らしく、自然体のまま自分を表現できるように、いちばんキラキラしているかけがえのない時期を楽しんでほしいです。音楽の美しさを共有する経験はとても大切だと思います。

高牧:

そうですね。決して上手に歌わなくても、みんなと一緒に歌う、それだけでもいいと思うのです。保育園や幼稚園でも、やっと歌う機会が少しずつ復活してきたところです。今回のプロジェクトでできあがる歌を、設置校の垣根を越えて歌うことができるといいですね。