創立100周年記念事業
プロジェクトのご紹介

学生参加型イベント

学生・生徒がつくるコンテンツ 卒業生を訪ねる
プロジェクト

私たちの武蔵野大学はどんなふうに
歴史を刻み、成長してきたのだろう。
社会で活躍する卒業生を、
在学生、在校生が
訪ねました。
(このコンテンツは学生、生徒が
取材から執筆までを行っています)

王 奕維 (データサイエンス学部 データサイエンス学科4年) 齊藤 奨 (工学部 数理工学科4年)土浦 由貴 (経営学部 経営学科4年)布施 凌太郎 (文学部 日本文学文化学科4年)

遊びで世界を変えていく?
真剣に遊ぶ先輩がいました。
今回、話してくださった先輩
2014年度卒業生
株式会社日本でいちばん遊んでる会社
代表取締役
宮崎 雄基さん
プロフィール
武蔵野大学政治経済学部政治経済学科卒業。青山学院大学大学院に進学し、MBAを取得。在学中にPRUFF株式会社を起業。2024年に2月に社名を「日本でいちばん遊んでる会社」に変更。“遊ぶ”をモットーにブランディングとプロモーションの企画を行い、デジタルマーケティングを通してクライアントの課題解決に貢献している。武蔵野大学経営研究所客員研究員・非常勤講師。

「日本でいちばん遊んでる会社」WEBサイト
https://ichi-aso.com/

人生の転機はビジネスコンテスト。
先生方の力を借りて、勝ち取った優秀賞。

何か人と違うことをやってやろうとする性格は小学生の頃から。いちばん足が速いわけじゃない。いちばん成績がいいわけじゃない。全然、自分は特別な存在じゃない。その分、何かしてやろうと、面白いことを企画したり、応援団長に立候補したりする。そんな小中高生時代でした。大学1、2年生の頃は基礎的な科目の勉強が楽しく思えず、GPAは1.5というひどい状況に。テレビは好きだったから、「何でもするんで働かせてください」と、番組の制作会社でバイトをしてみたり。でも、そこで働き続ける未来は見えず……。そのバイトを辞めたら、やりたいことが何もなくなってしまいました。

そんなときに出会ったのが、当時、政治経済学科の講師だった積田淳史先生。大学3年生で入った積田ゼミで、自分の人生は大きく変わります。「君はもっとクリエイティブなことをしなさい」。ある日、積田先生とロハスカフェで食事をしていたら突然言われたんです。困惑していたら、ビジネスコンテストに出ることを勧められました。先生の意図はわからなかったけれど、ゼミのメンバーを誘ってビジネスコンテストに出場してみることにしたんです。ビジネスのアイデアを10個くらい考えて、最終的に5つくらいに絞って、そのうちの1つが書類審査を通過して、コンテストで発表することになりました。

当時の自分はマーケティングのフレームワークも知らなければ、会計の知識もない。アイデアの種は自分だけど、発表に必要な事業検証は自分の脳みそだけではできないと思って、そこから政治経済学科の先生方に聞いて回ったんです。「こんなサービスを考えてみたんですけど」と、マーケティングの先生にユーザーの増やし方を相談したり、会計学の先生に資金計画や収支計画のアドバイスをもらったり。先生方はいつもウェルカムで助けてくれました。そうやってつくりあげた事業検証を発表すると、優秀賞を受賞できたんです。これが大学の勉強なんだとやっと気づいた。各分野の研究者たちに相談しながら、自分で考える力を養っていける。すごい環境だったんだと。ビジネスの世界で自分にも何かできるかもしれない。チャンスを感じて、世界の見え方が変わりました。

「その企画、遊んでる?」
遊びでおもしろくすることが自分の仕事。

大学卒業後は、大学院でMBAの勉強を続けながら、自然と自分で会社をつくっていました。創業期はいろいろ失敗もしたけれど、それも次の成功のためのデータ収集と思えば、楽しめました。いくつかの事業を試してみながら、自分の生き方を考えて、いよいよがっちり本気でビジネスをやってやろうと始めたのが、今の「日本でいちばん遊んでる会社」です。大学の友だち、高校の友だち、そしてゼミの恩師、積田先生まで、楽しむための最高のメンバーを集めて、企業や大学のデジタルマーケティング、ブランディング、プロモーションを手掛けています。動画もつくるし、ブログ記事やウェブサイトもつくるし、メタバースも使う。あらゆるデジタルコンテンツを使って、いろんなことをやっています。

おもしろいことをするためには、会議の場だって全部楽しくしよう、遊びにしよう。これが自分たちのコンセプト。たとえば、最近の仕事であったのは、大手企業の部長クラスの方を含めた10人ぐらいの方とのミーティング。だけど、スライドは3枚しかつくっていかなくて、持って行ったのはLEGOブロックとたくさんの駄菓子。社内の課題を全員でブロックを組み立てながら考えて、発言してくれたら「よし!良い発言です」と、羊羹とか蒲焼を配っていました。スライドばかり見て、上下関係を気にしていたら、おもしろい意見も出ないからです。

クライアントに「遊びでもっと面白くしましょうよ」と提案しているんだから、自分たちがいちばん遊んでいなければ駄目。「その企画、遊んでる?」「確かに、遊び足りないかも」。社内のミーティングでもそんな会話がよくあります。「遊び」という言葉に自分たちが込めているのは「人生を楽しむ」という意味。会社のメンバーも含めて、自分の周りの人の人生が楽しくあってほしいから、そのための行動をしていきます。そうやって自分も楽しく生きたい。

生きていて楽しいと思える視点。
大学はそれを身につけられる場所。

学部、学科を増やして発展していて、武蔵野大学はとてもすごいと思います。100周年の節目もすごいけれど、ここで歴史が止まるわけじゃない。自分としては、いつの時代も最高の武蔵野であってほしいという思いがあって、101年目も、それ以降も、どんどん発展していって欲しいです。

100周年スローガンの「響き合って、未来へ。」は、自分が政治経済学科のゼミで過ごした日々と、とてもフィットしているのを感じます。人の距離が近くて、いまだに先生に連絡して、仕事の相談をしたりする関わりも続いている。まさに今も、響き合って、それぞれの未来をつくっている気がする。他の大学ではあまりないことだと思います。

自分にとって、人生を楽しくするきっかけをくれたのは本当に武蔵野大学。それがなかったらどういう人生だっただろうと思います。人生をいい方向に変えてくれた恩返しを、これからもいっぱいしたい。大学の非常勤講師を務めたり、メタバース上での模擬授業企画に協力したのも、そのためです。

みんなにはどんなときも「生きていて楽しいわ!」と思える視点を身につけて欲しい。自分は経営学の視点を身につけたことで、ラーメン屋さんで食べていても、街を歩いていても、何を見ていても、こうすればもっと改善できるなあと考えるのが楽しくなった。そういう視点やマインドを身につけられるのが大学なんじゃないかな。

Musashino Memories
密度の濃い本気の学びで、
大きく成長できるゼミ活動

ゼミの先生にクリエイティブなことへの挑戦を勧められた宮崎さん。それをきっかけに、大学の勉強が楽しくなり、世の中の見方が変わっていったと語ってくださいました。武蔵野大学のゼミでは、学科にもよりますが、1、2年次の授業の応用を学習したり、自らの足で研究テーマを探しに行き、卒業論文の執筆や卒業研究を行なったりします。普段の授業とは異なり、先生や学生と問いを繰り返し考えて、互いの意見をぶつけ合う、少人数ならではの密度の濃い学習ができます。本気で打ち込める環境だからこそ、宮崎さんのように会社を共に設立するメンバーに出会えたり、人生をかけて取り組みたいと思えるテーマを見つける人もいます。大きく成長できる環境が武蔵野大学のゼミにはあります。

「取材・原稿制作を終えて」
「こんなに面白くて自由な先輩がいるんだ。
とても楽しく取材させていただきました。」

「確かに、遊び足りないね」という会話が日常的に交わされる会社があるなんて、最初は想像もつきませんでした。しかし、宮崎さんとのインタビューで熱量とユニークな視点に触れ、私の想像と期待をはるかに超えてきました。よく「年を重ねると、つまらない大人になる」という言葉を耳にしますが、宮崎さんを見ているとその考えが的外れだと思わされます。宮崎さんの姿勢は、日常のありふれた瞬間に、面白さと楽しさを注ぎ込むことで、人生そのものをより豊かにするものです。私も日々の生活を遊び心と笑顔で染めたいと思いました。

(データサイエンス学部 データサイエンス学科4年 王)

私は就職活動を終えて、「これからの人生楽しいのかなぁ」と不安を感じていました。しかし、宮崎さんが「勉強する過程で身に付けた考え方や経験が大切。これが人生を楽しくしてくれる。」とおっしゃっていて励まされました。確かに、就職活動中に新しい仲間や先輩方に出会えたし、会社に提出した課題やプレゼンテーションも私を成長させてくれました。結果よりも、いろんな経験が出来たことが、これからの人生を楽しくしてくれる。宮崎さんとお話して、くよくよせず私も頑張ろう!と思えました。

(経営学部 経営学科4年 土浦)

経営者という僕とは違う世界に住まれている方で、どうお話をうかがえば良いのか不安だったのですが、杞憂でした。宮崎さんとお話をさせて頂き、特に面白かったのが投資の話です。自分の時間、そして周囲の人たちの貴重な時間。どう使っていくか、いかに頼っていくかが、印象的でした。僕自身、大学生活の時間や、学友が自分と過ごしてくれる時間を貴重で、ありがたいなと思っていました。それを資源や投資という言葉に置き換えると意味が深くなったような気がします。残りの大学生活、有意義に投資をして行こう、そう強く思いました。

(文学部 日本文学文化学科4年 布施)

宮崎さんの学びへの姿勢は自分にはないものでした。自身が学科で本格的に学んでいる数学関係のことは、あまり身近に触れることがないと考えて関連性を持たせることが今までありませんでした。しかし、もっと解釈を広げて世の中を見てみようという気持ちになりました。また自身の興味のある範疇で知ることを終えてしまうのではなく、もっと自分が知らないこと、自分が今まで考えたことのなかったことまで知る機会を増やして、日常の何気ないことにも関心の持てる生活を送りたいと考えました。

(工学部 数理工学科4年 齊藤)

取材日:2024年 所属・肩書等は取材当時のものになります。