株式会社サクラウンジャパン 代表取締役
日本文化をテーマに起業。
世界展開を目指しています。
私は、2015年に株式会社サクラウンジャパンを立ち上げ、着物でつながる伝統文化コミュニティメディアプラットフォーム「KIMONO BIJIN」というWebサービスの開発、運営を行っています。「KIMONO BIJIN」では、あらゆる日本伝統文化事業者と、世界中の人を繋ぐことを目指して、海外でも多数のイベントを開催し、日本文化アーティストさんと協力して独創的な着物の着こなしを発信するファッションショーをしたり、日本文化をより身近に感じてもらうための楽しい和文化体験をオフラインでも提供してきました。
まだ会社は小規模なので、私はサービスのシステムやデザインの大枠を考えたり、会社に必要な多くのことをこなしていますが、エンジニアやデザイナーをはじめ、多くの方々に支えられながら事業を展開しています。私が大切にしているのは、メンバーとのフラットな関係です。プロジェクトを一緒に進めるメンバーとは、なんでも話し合える雰囲気をつくり、意見を自由に交換することで、より良いプロジェクトを進めています。
現在、東京都でも女性起業家をサポートする取り組みが進んでいて、いい風が吹いていると思います。今年は、ビジネスを拡大させるために米国展開に力を入れていて、先月に引き続き、来月もシリコンバレーで活動予定です。視野を広げれば、私たちが感じる常識は世界中で通用するものではないことがわかります。そして、今の常識も明日の常識とは限りません。世界中の人々と関わり、未来に向けて柔軟な発想を持ち続けて、常に新たなチャレンジを続けていきます。
貪欲にワクワクを追い求めよう。
大学時代からビジネスも始めました。
人と違う経験をして、充実した4年間を過ごしたい! 武蔵野大学現代社会学部に進学したときに、そう強く決意しました。大学での授業は、起業入門や大阿久 博先生の経済学の授業が特に面白く、積極的に受講していたことを覚えています。部活動はフラッグバトン部に入り、摩耶祭などに向けて夜遅くまで振り付けを考えたり、雪頂講堂でパフォーマンスをしたりしました。他大学と交流ができるインターカレッジの起業サークルにも入り、学生起業家など多くの志の高い仲間と出会えたことはとても刺激的で、貴重な経験になりました。
また、高知県の木を染める職人に会いに行き、世の中に普及させるためアクセサリーにして東京で販売する活動など、様々なインターンシップを経験しました。現メルカリの社長である山田進太郎さんが初めて起業した会社で、モバイルサービスの開発に携わる経験もしました。さらに、ビジネスに必要な基本的なスキルを学ぶため、複数のビジネス系資格を取得しました。そして、学内外の学生を集めて、フリーペーパー事業や就活支援イベント事業を始めました。吉祥寺のお店に飛び込み営業して、取材をしたり協賛を募って、自ら制作したフリーペーパーを何万部も配布しました。やりたいことには貪欲にチャレンジできたと思います。現状を当たり前と考えず、常に改善を意識し、より良い方向へ進む意欲を持つことが重要だと思います。武蔵野大学には挑戦し続けるための環境が整っていると思います。
卒業後は三菱UFJ信託銀行に入社し、5年間、念願だった法人営業を経験します。そして中学生の頃から興味を持ち、学生の頃にも触れた起業をしようと決意。自分が生み出したビジネスで社会に貢献する道を歩み出したんです。
チャンスは一瞬!
人との繋がりを大切に。
世界一のシェアを誇るサービスをつくりたいです。ただ、日本が良くなればいい、自分の会社だけが良くなればいいという考えでは、未来はありません。持続可能なより良い世界をつくるには、世界中の企業や人々と協力する共存共栄の精神が大切だと考えます。私たちが提供する価値が多くの人の役に立てば、自然と私たち自身も成長することができます。私はまだまだ経営者として人一倍の努力が必要です。支援していただいている方々に恩返しができるよう、謙虚に学び、尽力していきたいです。
人生で大切にしている二つのことがあります。一つ目は、チャンスを逃さないことです。「チャンスの神様は前髪しかない」という言葉があります。チャンスをつかむ機会は一瞬。自分自身の直感に従い、決断をするよう心がけています。やらずに後悔するより、やって後悔したい。二つ目は、全ての人とのつながりを大事にすることです。こうして出会えた皆さんも貴重なご縁だと思っています。一度きりかもしれないご縁も、学生時代の友人も、未来につながる可能性がある。みなさんも、誰とでも真摯に向き合って、助け合い、一つひとつのつながりを大切にしていってください。
心に残る場所。雪頂講堂
黒平さんが思い出深い場所としてお話ししてくださったのが、大学生の時に所属されていたフラッグバトン部がパフォーマンスをした、雪頂講堂です。雪頂とは、この学校を設立した高楠順次郎先生の号、すなわち、本名の他に書籍などに使用した名前です。ヒマラヤの雪をイメージしており、ヒマラヤ山のように高みを目指して、仏さまを目指してという意味があります。黒平さんは、旗を回すなどして踊るフラッグバトン部の振り付けをされていたそうです。この雪頂講堂は、中高生にも毎週、講堂朝拝をしたり、文化祭や普段の授業で発表したりする場所となっています。今でも、表彰や発表がよく行われており、生徒にとって悔しさも喜びも楽しさも悲しさもたくさん残った場所になっています。これからも、生徒にとってずっと思い出深い場所となり続けます。
繋がることを教えていただきました」
私は、黒平さんがお話しいただいた「チャンスの神様は前髪しかない」という言葉がとても心に残りました。私は、迷ってしまっている間にチャンスを逃したり、諦めたりしてしまうことがよくあります。そのため、何か自分の中で決めたことや、やりたいと思ったことは、忘れないうちに行動に移すことを大切に生きようと思いました。そして、それを最後までやり遂げられる人間になりたいと人生の中の目標を一つ掲げることができました。
私は面白いと思ったことにすぐ食らいついて、自分が興味を持ったりこうしたいと思ったりしたことを実現するために努力を惜しまず自分から行動する黒平さんの姿に感動しました。チャンスがあれば逃さず挑戦して、たくさんの経験が将来の自分に繋がるということを教えていただき、私ももっと積極的に行動していこうと思いました。これからも様々なことに興味を持って、経験を重ねて知識を増やしていって、自分がやりたいと思うことをもっと明確にしていきたいです。
黒平さんはしっかり自分を持っていて、とても素敵な生き方だと思いました。高校生の頃にダンス部を作ったり、大学生の頃に自分で営業をして広告料をもらったり、起業をしたいと思い立ったらすぐ行動をして、後悔のないように人生を歩んでいて、これからも多くのやりたいことがあるようで生き生きされていました。黒平さんの考え方は、『これだけは曲げたくない』というような核を持っているように感じました。私も、やりたいことがあったらすぐにチャレンジする強い意志を持った生き方をしたいと思います。
取材日:2023年2月 所属・肩書等は取材当時のものになります