ザ・ペニンシュラ東京 宿泊部ハウスキーピング トレーニングスーパーバイザー
クリーンアップという以上に、
美しい客室を「つくりあげる」仕事。
ザ・ペニンシュラホテルズグループは、香港の旗艦店を始めとして、世界各国の主要都市でホテルを運営しています。私が勤務しているのは、ザ・ペニンシュラ東京で、お客様に心地よくお過ごしいただけるように客室を整え、管理する部署に所属しています。現在はトレーナーとして、新しく入社したメンバーにお部屋のつくり方の指導を行っています。
私自身、このホテルの中で一番好きで惚れ込んでいるのが、客室です。各国のカルチャーを取り入れたお部屋づくりをしており、日本のザ・ペニンシュラ東京ではトチノキの一枚板や桜の木が全室に取り入れられて、モダンテイストな空間がデザインされています。私たちが大事にしているのは、単なるクリーンアップではなく、胸を張ってお客様にご提供できる客室を美しく「つくり上げる」こと。お部屋を「貸す」のではなく「販売する」という意識を、新しく入ったメンバーにも大切に伝えています。
トレーナーは、メンバーのちょっとした変化にも気付くことが重要な仕事だと思っています。コミュニケーションを大事にして、客室づくりの様子に少しでも違和感があったときは、そのメンバーが何か問題があって悩んでいるのかをキャッチして、フォローしていくようにしています。
働く一人ひとりをファミリーと考えて、大事に育てるのがペニンシュラらしさ。私自身、まだ仕事に自信が持てなかった頃、私のことを親身に考えて声をかけてくださるトレーナーさんに育ててもらいました。それを後輩たちに返していきたいと思っています。
優しい雰囲気のある母校での日々は、
今の生き方の基盤になっています。
私は中高の6年間を、千代田女学園で過ごしました。学校説明会に参加するために初めて来校したとき、校門を一歩入った瞬間の雰囲気で、「あ、絶対にここだ。私、千代田を受けたい」と思ったことを覚えています。この学校の温かみのある雰囲気が私は好きでした。個性を大事に受け入れてくれて、ときにはきちんと叱ってくれたりもしながら、一人ひとりの生き方をサポートしてくれる。そんな優しい雰囲気が印象的です。
生徒にも個性がある人が多かったですが、先生たちもとてもユニークでした。大人になって、仕事でいろんな人と接する機会がありますが、中高でいろんな人と接していたので、あまり困ったことがありません。それくらい、みんなが面白かったです。振り返って一番楽しかったことは、体育祭で披露した各クラスごとの創作ダンス発表です。同時に一番の思い出でもあります。未だに悩んだときには、あの頃の動画を見て、思い出して頑張れています。
出会えてよかったと思う人は、中村和憲先生です。中村先生から教えてもらったのは「見返りを求めない愛」。それが私の今のトレーナーとしての基盤になっている気がします。 6 年ほど前に千代田に遊びに来たときにも、まだ私たちのクラスの集合写真を飾ってくれていたり、私と友人で撮ったプリクラを貼ったネームプレートがまだ机の上に置いてあったり。先生も思い出を大事にしてくれていることがすごく嬉しかったです。
当時は何十年も勤めておられる先生が多くて、歴史や伝統をとても大切にしていたと思います。ここ数年、母校に遊びに来て感じるのは、残すべき伝統は残しつつ、グローバル化などの時代に合わせた学校づくりが進んでいること。私はそこにとても共感できます。
素直な気持ちが千代田らしさ。
「卒業生です」と胸を張って言えます。
ザ・ペニンシュラ東京は、年齢や性別、国籍など生まれ持った個性を尊重し、偏見の目がなく、困っている人に手を差し伸べる考え方を持っている会社です。例えば、障がいがある方も、強みを活かしてペニンシュラ東京で一緒に働いています。様々な個性や特徴を持った人を受け入れてくれる会社なので、学校法人武蔵野大学の多様性を認め合う生き方、「世界の幸せをカタチにする」という考え方にも、すごく繋がっていると感じます。
これからの母校にも、生徒のみんなが毎日楽しく過ごせる場であってほしい。それが一番の想いです。そして、卒業後も千代田に遊びに来るたびに感じるのは、素直な気持ちを持っている人が本当に多いこと。目を見るだけで、すごくそれが伝わってきます。それはこの学校ならではだと思うので、そのままであってほしいです。
千代田のすべてが誇れます。辛かったことも含めてすべて。「ここの卒業生です」って胸を張って言えます。愛情を持った先生が多いところも、どこにも負けないと思います。この学校に先生方が愛を持っているから、その雰囲気が生徒にも伝わって、千代田らしい存在感が続いているのではないかと思います。
体育祭、ダンス発表
伴さんが学生時代の印象的な出来事としておっしゃってくださったことは、体育祭のダンスの経験でした。クラスで、題材や衣装・曲・どのような踊りにするかなどを全部自分たちで決めて発表したときの経験がどのようなチームをつくるかということの学びに繋がる良い機会であったことをお聞きしました。初めの頃は自分で全部やるべきことだと思っていたそうですが、みんなが動き方のアイディアを一緒に考えてくれたり、衣装や装飾をつくってくれたりしたことに優しさや協力性を感じ、チームをつくるのがこんなに楽しいのかという経験を得たそうです。学生時代のチームづくりの経験が社会に出てからもホテルマンとしての基盤になっていると伺いました。現在の体育祭でも、ダンスの発表は続いており、伝統が継承されています。
ホテルマンという職業が少し気になっていたので、実際に働かれている方のお話をお聞きでき、自分の将来を考えられる良い機会になりました。伴さんからたくさんのお話を聞かせていただき、自分が本当にしたいことができる職業に就くことが一番大切だと感じました。特に、つらいときは昔の映像を見て元気をもらっているという話を聞いて、自分もそんな風になりたいと思いました。伴さんと同じように今自分の周りにいる友人や家族を大切にするところから始めようと思います。
私は今回のインタビューを通して伴さんの仕事に対する愛を知り、仕事に対して愛を持って接することの大事さを学びました。私も将来、愛を持ってできる仕事に就きたいと、自分の将来の仕事について改めて考えました。伴さんが大切にされている恩師の言葉「見返りを求めない愛」や、人のために行動する姿勢についてのお話からは、自分も人のために行動ができる人間になれるように、これからの人生を生きていきたいと考えました。
伴さんのインタビューをさせていただいて、学生時代の思い出がとても人生の支えになっているということを学びました。先生方との会話や体育祭のダンス発表、部活など多くの経験は、将来辛いときや苦しいときに思い出し、勇気付けられるようなものになると伴さんから教えていただきました。私も中学や高校生活での今までやこれからの経験を、将来自分の支えにできるように日々多くのことを学び、学校生活を送りたいと思いました。
取材日:2024年2月 所属・肩書等は取材当時のものになります